気持ちを集中させること

私は、てらこやで、子ども達にピアノと書道を教えているので、子どもたちに、何かを与えて取り組ませてどうかということを、いつも考えているのですが、

実は、子育てをする母親の目線で考えると、習い事をする以上に小さい子どもにとって、大切なことがあると思っています。

 

それは、

公園などで、遊ぶということです。

 

前回、うちの娘や息子のことを少し紹介しましたが、

 

盆休み二人でまったりしていた時に、

ゲームをしようかと、二人で、スゥィッチを出して、いろんなゲームを一緒にやり始めました。

 

1時間ほどしたら、疲れたと娘が言い始めて、

いろんなところ(脳とか目とか腕)が疲れてきたから、

やめる~と早々に切り上げて、

ゲームを片付けてしまいました。

 

娘は、小さいころから、あんまりゲームにこだわることなく大きくなったのは、

毎日、夕方、宿題もせずに、友達が誘いに来てくれて、

下校そのまま公園に行って、門限ぎりぎりまで、本当に空いている日は、毎日、遊んでいたからじゃないかと思うのです。

 

誰と遊んでいるの?と聞くと、14人とか、9人とか

誰かの弟妹、お姉ちゃんお兄ちゃんまで、年齢も様々な子たちが、一緒に遊びを考えて暗くなるまで遊んで帰ってくるのです。

 

それがなんともほほえましく、

一緒に遊んでいる仲間も、高学年になってくると、

塾に行く子がいたり、うちだったらピアノのレッスンに行く日、習字教室の日、スイミングの日と、

色々あるのですが、だから、毎日メンバーの数が違ったり、構成が違ったりして、途中で来たり帰ったり、

それでも、土砂降りの日以外は、外で走り回って遊んでいたようでした。

 

私も、娘息子も通っていた幼稚園、そして今、娘がそこで働いているのですが、小学校に上がる前、その幼稚園では、

目的は特にない、ただ遊ぶという時間があります。

 

どの友達と遊ぶのか、どんな遊びをして遊ぶのか、

みんなで遊ぶならどうしたら楽しいかとか、

人間関係の中で、仲よくしながらどうやって遊ぶかということを学ぶ時間があります。 

実は、私は、ピアノの先生をやりつつも、その時間は絶対に大切にしてもらえたらなぁと思うのです。

 

むしろ、そんな遊びが苦手な子が、意外と最近は多いのではないかと思うのです。

 

もちろん一人一人の個性もあります。一人で遊んだり、静かにお部屋で遊ぶのが好きな子もいます。

でも、誰かと遊ぶこと、

おもちゃとか、遊べる道具が特にない中、誰かと一緒にどうやって遊びを見つけて楽しむかということを考えること

それを毎日やっている子は、

そこで培った知恵は、目に見えるものではないけれど、とてつもない財産だと思うのです。

 

だから私は、おうちでのピアノの練習は、一日3分から10分、よくやっても15分でいいと思っているのです。

もちろんやりたくて、気づいたら、もっと弾いていたというのは大歓迎ですが、

熱心なお母さんは、30分練習させようとされたりするかもしれません。

 

でも、それなら、10分を三回の方がいいです。10歳を超えたときに30分弾き続けたいというのなら止めはしませんが、

何が大事かというと、集中しているかどうかが大事なのです。

 

書道などは、おうちで練習することなどまずないと思います。

お教室でのおけいこでも、

やはり、何をどんな風に書こうかと、いろんなことを考えながらやっていると、

あっという間に時間は過ぎますし、その時間は濃密です。

何も考えずに、例えば、3枚書けばいいというようなおけいこの仕方は、上達もしませんし、大切な経験にはなりません。

 

うちに来ている子たちが、

もう終わり?

と大きな声で言うような時は、本当に集中して書いていたんだなぁと思ってほほえましくなります。

 

いろんなことを考えながら、

何をどうしようか迷ったり悩んだりすることが、何よりの経験だと思うのです。

だから、書道教室にくる子が、時間ギリギリまで公園で遊んで、汗だくで来てくれる時がありますが、

とても微笑ましくて、

さあ!次はお習字の時間と、気持ちを切り替えて、集中して取り組めることが素晴らしいと感じています。 

どうか世のお母さん方、

外で暗くなるぎりぎりまで遊ぶことを、塾やおけいこ事で、決められたことを習うことほど価値がないと思わないでください。

それは、生きた力に直接つながるときが必ず来ますから…